ドラムブレーキとは 車用語集
ドラムブレーキ
【ドラムブレーキの内部】

ブレーキシューと呼ばれる摩擦材を、ドラム(筒)の内側に押し付けることでタイヤの回転を止める仕組みのブレーキです。
ディスクブレーキに比べると製造コストが安く済みますが、熱がこもりやすいためブレーキのフィーリングが悪くなることがあります。
ドラムブレーキの仕組み
ドラムブレーキは、車輪と一体となって回転するドラム(円筒)の内側に、三日月状のブレーキシュー(ライニング)を配置した構造です。ブレーキペダルを踏むと、油圧によりホイールシリンダーがブレーキシューをドラムの内壁に押し付け、摩擦により制動力を発生させます。
自己倍力作用(サーボ効果)
ドラムブレーキの大きな特徴は「自己倍力作用」です。回転するドラムにシューが接触すると、回転方向の前方に支点があるリーディング側のシューは、自らドラムに食い込むように作用します。この効果により、小さな力で大きな制動力を得ることができます。
ドラムブレーキのメリット
- 製造コストが安い:構造がシンプルで部品点数が少なく、低コストで製造できます
- 強力な制動力:自己倍力作用により、小さな力で大きな制動力を発揮します
- 長寿命:ブレーキライニングの接触面積が広いため摩耗が分散し、ディスクブレーキより寿命が長い傾向があります
- パーキングブレーキに適する:自己倍力作用により保持力が強く、駐車ブレーキとして優れています
ドラムブレーキのデメリット
- 放熱性が悪い:密閉構造のため熱がこもりやすく、連続使用で制動力が低下する「フェード現象」が起きやすいです
- 水はけが悪い:ドラム内部に水が溜まると摩擦力が低下し、ブレーキの効きが悪くなることがあります(ウォーターフェード)
- コントロールしにくい:自己倍力作用により効きが急になりやすく、細かな調整が難しいです
- メンテナンス性が低い:ドラムを外さないと内部の状態が確認できません
ドラムブレーキの使用箇所
現代の乗用車では、前輪にはディスクブレーキ、後輪にはドラムブレーキという組み合わせが多く見られます。これは以下の理由によります。
- 制動時は前輪に荷重がかかるため、前輪には放熱性の良いディスクブレーキが適している
- 後輪は負担が少ないため、コストの低いドラムブレーキでも十分
- パーキングブレーキとしてドラムブレーキの方が適している
また、大型トラックやバスでは、コストや整備性の観点からドラムブレーキが多く採用されています。
ディスクブレーキとの比較
| 項目 | ドラムブレーキ | ディスクブレーキ |
|---|---|---|
| 放熱性 | 低い | 高い |
| コスト | 安い | 高い |
| 制動力 | 強力(自己倍力) | 安定 |
| メンテナンス | やや困難 | 容易 |