パワーステアリングとは?油圧式と電動式の違いを解説
パワーステアリングって何?
一般的に「パワステ」と呼ばれるもの。
車の重量は非常に重いため、そのままではハンドルを回すのに非常に大きな力がいります。
そこで、ハンドルを回すときの力を楽にする装置がこのパワーステアリングです。
最近の車ではほぼすべての車種にパワーステアリングが装着されています。
軽自動車からトラックまで、パワステなしの車はほとんど見かけなくなりました。
パワーステアリングの種類
パワーステアリングには、大きく分けて「油圧式」と「電動式(EPS)」の2種類があります。
油圧式パワーステアリング
昔から使われてきた伝統的な方式です。
エンジンの力で油圧ポンプを駆動し、発生させた油圧によってステアリング機構をアシストします。
エンジンの回転数に比例して油圧ポンプが作動するため、エンジンが動いている間は常に油圧を発生させています。
油圧式の特徴:
- しっとりとした自然な操舵感
- 大きなアシスト力を発生できる
- 長年の実績があり信頼性が高い
油圧式のデメリット:
- エンジン稼働中は常に油圧ポンプが作動するため、燃費に影響する
- 長年使用すると、各部品からのオイル漏れの可能性がある
- 停車時や低速では、十分なアシストを得られないことがある
- 構成部品が多く、製造コストが高い
電動パワーステアリング(EPS)
2000年代以降、主流となっている方式です。
1988年にスズキ セルボで世界初採用されて以来、急速に普及しました。
電動モーターを使用してステアリング操作をアシストします。
油圧ポンプやオイル配管が不要なため、シンプルな構造になっています。
電動式の特徴:
- 必要なときだけモーターが作動するため、燃費が良い
- 油圧ポンプや配管が不要で、省スペース・軽量化が可能
- 車速に応じたアシスト量の制御が細かくできる
- EVやハイブリッド車、先進運転支援システム(ADAS)との相性が良い
電動式のデメリット:
- 油圧式に比べてアシスト量に限界があり、重量級の大型車には不向き
- 大電流を使うため、大容量のバッテリーが必要
- 初期の電動式は操舵感に違和感があると言われた(最近は大幅に改善)
電動パワステの種類
電動パワーステアリングには、モーターの取り付け位置によって3つのタイプがあります。
- コラムアシスト式:ステアリングコラムにモーターを配置。コンパクトで低コスト。軽自動車や小型車に多い
- ピニオンアシスト式:ピニオンギア部分にモーターを配置。中型車に多い
- ラックアシスト式:ラックの往復運動を直接アシスト。大きなアシスト力が出せる。大型車や高級車に採用
電動油圧式(EHPS)
油圧式と電動式の良いとこ取りをした「電動油圧式(EHPS)」という方式もあります。
電動モーターで油圧を制御する方式で、油圧式のしっとりした操舵感と、電動式の低燃費性を両立しています。
一部のスポーツカーや高級車に採用されています。
中古車購入時のチェックポイント
パワーステアリングは普段意識しない装備ですが、故障すると非常に困ります。
中古車購入時は以下の点を確認しましょう。
- ハンドルの重さ:停車時や低速時にハンドルが異常に重くないか
- 異音:ハンドルを切ったときに「ウィーン」「ギギギ」などの異音がしないか
- オイル漏れ(油圧式):エンジンルーム内にオイル漏れの跡がないか
- 警告灯:パワステの警告灯が点灯していないか
パワステの修理は部品代・工賃ともに高額になることが多いです。
試乗時にしっかりハンドル操作を確認しておきましょう。
まとめ
- パワーステアリングはハンドル操作を軽くする装置
- 油圧式と電動式(EPS)の2種類がある
- 現在は電動式が主流で、燃費や先進装備との相性が良い
- 油圧式は自然な操舵感が特徴
- 中古車購入時は異音やオイル漏れをチェック