整備工場有りは信用できますか?
一口に整備工場と言ってもいろいろな種類があります。
ガソリンスタンドなどに併設されたオイルやタイヤを交換するだけの簡単なものから、国の検査場の代わりを果たすものまで様々です。
整備の中には道路車両運送法で決められている「分解整備」と呼ばれる整備があります。
この「分解整備」というのは例えばエンジンを降ろしたり、ブレーキを分解したりと少し複雑な整備と考えてください。
この「分解整備」はどこの整備工場でもできるわけではありません。
「分解整備」を行うには国から認可を受ける必要があります。
そのためには設備や人材や工場の広さなど細かく決められた条件をクリアしなければなりません。
そしてその認可を受けている整備工場というのが「認証工場」と「指定工場」の2つです。
つまり数ある整備工場の中で、この「分解整備」を行えるのは「認証工場」と「指定工場」しかありません。
その資格を有していない整備工場では基本的に「分解整備」を行ってはいけないのです。
ここで「認証工場」と「指定工場」の違いに触れておきます。
「認証工場」と「指定工場」とで大きく違う点は車検を受ける時です。
「認証工場」では車検の整備をした後、陸運局に車を持ち込んで検査を受ける必要があります。
「指定工場」になると車を持ち込む必要はなく、検査まで自社で行う事ができます。
よく街で見かける民間車検工場の看板は、この「指定工場」のことです。
簡単にいいますと「認証工場」の設備や人材面でランクアップしたものが「指定工場」だといえます。
ここで注意をしていただきたいのが雑誌などの広告でよく見かける「自社整備工場有り」の文句です。
整備工場といっても今申し上げた「認証工場」の資格を持っているとは限りません。
もし「認証工場」の資格を持っていなければ、「分解整備」はその整備工場ではできず、他に外注に出すことになります。
それでは整備工場有りの意味がさほどあるとは思えません。
「当社は自社整備工場もありますのでご安心ください」
という説明を受けたら、
「お宅の工場は認証工場ですか?」
と確認してみてください。