「オークション屋」という名の職業
私達の世界で「オークション屋」と呼ばれている人たちがいます。
中古車を、オークションからオークションへ、転売する人たちです。
つまりAオークション会場で90万円で買った車を、Bオークション会場へ運び、100万円で売るというわけです。
昔バブルの時に、土地を転がして儲ける人がいましたが、オークション屋さんは、まさに中古車を転がして儲けている人たちです。
一見、右から左で簡単そうだなぁ〜、と思いますが、その実は大変な商売です。
中古車の相場の熟知と、経験や勘が必要になります。
またそれだけでなく、いろいろな売れる工夫もしています。
その一例をご紹介します。
例えば、セルシオなどの高級車の場合、その車についている装備によって、大きく価格が違ってきます。
代表的なのが、サンルーフ、本革シート、マルチビジョンの3点セットです。
これを私達の業界用語で「屋根・カワ・マルチ」といいます。意味はお分かりですよね。
この3点セットが付くと、値段が跳ね上がるケースが多いのです。
(もちろんその他の要素もありますが)
そこで、オークション屋さんはこういった3点セットの車を作ってしまうのです。
作り方はこうです。
2台車を仕入れます。
1台は、本革シート付きの車、もう1台はサンルーフとマルチビジョン付きの車。
もうお分かりですよね。そうです、本革シートのシートを、もう1台の車に移し変えるのです。
これで1台「屋根・カワ・マルチ」が出来上がるというわけです。
もちろん本革シートが無くなったほうの車は、価値が下がりますが、それ以上にこの3点セット付きの車の方で稼ぐわけです。